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水を飲み過ぎると太るってホント?「水中毒」の原因と解消法

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成人1人あたり、1日に必要な水分摂取量は1~2Lと言われていますが、運動量や食事内容、環境、季節によっても異なります。塩分の摂り過ぎや運動不足の状態でお水を飲み過ぎると、水太りを引き起こしてしまう場合もあるので、排尿・排便の回数や体調をチェックしながら正しく水分を補給することが大切です。

水太りとは何か?

水太りとは、新陳代謝が低下することで顔や手足がむくんだり、トイレに行く回数が4回以下に減ったり、尿量が少なくなるなどの兆候が表れる症状のことです。

水太りと言えば、水の飲み過ぎが原因と思う方も多いかもしれませんが、それだけで水太りを引き起こすことはほとんどありません。水太りが起きているとき、体内では不要になった老廃物を体外に排出させるための「新陳代謝」が低下し、全身の血液循環が悪化しています。そのまま水太りの状態が続くと、体温や血圧を調整する自律神経系の働きも鈍り、さらに新陳代謝を低下させる悪循環に陥るようになります。そのため、できるだけ早く原因をつきとめ適切に対処しなければなりません。

水太りの原因と解消法

水太りを引き起こす新陳代謝の低下は、腎機能の低下や甲状腺機能異常など明らかな病気の症状がある場合を除き、基本的な生活習慣の乱れが主な原因として挙げられます。中でも乱れた食生活は、新陳代謝機能に悪影響を与えやすいと考えられています。

特に塩分の摂り過ぎは要注意です。味付けの濃い食事やレトルト食品、スナック菓子など、塩分を多く含むものばかり食べていると、体が水分をため込みやすくなり、新陳代謝が阻害されてしまいます。これは塩分濃度が急激に高まった血液を薄めようと、一時的に大量の水分を必要としている状態であり、水分が血管を圧迫すると老廃物の排出までも滞りがちとなってしまうのです。塩分の摂り過ぎが続くと、塩味に対する感覚が鈍くなるのも問題です。自然と濃い味を好むようになり、水太りだけではなく、高血圧症や心臓病、脳卒中発症のリスクを高めることが知られています。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書によると、毎日の食事に欠かせない塩分の1日の摂取量は、成人男性9g、成人女性7.5g以下が適正とされています。塩分の排出を促すカリウムを多く含む食品や利尿作用のあるお茶と一緒に摂るよう心掛けましょう。

運動不足が水太りのリスクを高める可能性も

通常、体内にたまった余分な水分や老廃物は、全身を張り巡る「リンパ管」を経由して体外に排出されます。他の血管は、心臓が動いている限り自動的に血液が循環されていきますが、リンパ管の場合は、筋肉を動かさなければ循環が止まってしまいます。デスクワークの時間が続くなど、運動不足の状態が続きリンパ管の働きが滞れば、水太りの状態がなかなか解消されません。リンパ管は、皮膚のすぐ下を通っていますので、こまめに体を動かし、皮膚や筋肉を定期的に伸び縮みさせる(ストレッチ)ことが、水太りの予防・解消に繋がります。

寝る前に食べ過ぎたわけでもないのに、翌朝に体重を測ったらキロ単位で体重が増えていたら、水太りを起こしているかもしれません。なんとなく足がむくんでいるように感じたり、まぶたが腫れぼったくなったりしていたら要注意です。水太りは悪化すると太りやすい体質になってしまうだけではなく、高血圧症や心臓病などの生活習慣病を引き起こす恐れがあるため、上記を参考に食事を見直すなど早めに対処するようにしましょう。

※本記事で、病気症状についての記載がございますが、ご心配な方は専門機関にご相談されることをおすすめします。

参考:
「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書(平成26年3月28日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html