健康と環境に配慮した物流へ

世界は地球温暖化防止に向け、大切なかじ取りを迫られています。自分たちの生活が豊かになることと引き換えに、近年、これまで見られなかった大雨や記録的な猛暑が発生し、洪水や干ばつなどの被害が増加しています。日本をはじめ世界各地で、このような自然災害を防ごうと二酸化炭素の排出をゼロにするカーボンニュートラルへの取り組みが盛んになっています。そうした流れの中で、物流とCO2排出量の関係、アクアクララの環境に配慮した物流システムなどを紹介します。

地球温暖化防止に向けた「カーボンニュートラル」

改めて、カーボンニュートラルとは事業活動で出すCO2排出量を、吸収する量でプラスマイナスゼロにすることです。
CO2をはじめ温室効果ガスによる温暖化が進行すると、酷暑が増える、台風が大型化する、大雨による災害の頻度が多くなるなど自然災害の頻発化・激化の恐れがあります。さらには動植物の減少・絶滅する可能性も高まるでしょう。

カーボンニュートラルは、環境破壊の抑制と人間を含めた生物の未来を守るための大切な施策です。世界はCO2排出量を抑え温暖化防止に向けて動きを加速させています。

物流とCO2排出量の関係

そして、物流はCO2の排出に大きく関係しています。環境省と国立環境研究所によると、日本における2020年度の温室効果ガスの総排出量は11億4,900万トン(CO2換算)。CO2排出量(電気・熱配分後)を部門別でみると、物流に関係する運輸部門は産業部門に次ぐ2位で、全体の約18%を占めています。

出典:環境省│2020年度(令和2年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について

新型コロナウイルス感染症の影響で輸送物量が減少したことや自動車の技術が改善され燃費がよくなったことなどにより、CO2排出量は一時的に減少傾向になりました。限定的な現状を踏まえ、今後も流通量の増減に関わらず、安定して地球に優しい物流を実現していけるかが課題となっています。

輸送距離を短く、CO2を少なく

一般的に長距離にはモーダルシフトを実施し、CO2排出量が少なく、出来るだけ環境に負荷をかけない物流を選択されてきました。モーダルシフトとは、環境負荷の大きい輸送手段(トラックなど)から環境負荷の小さい輸送手段(鉄道・船舶など)に変えることを言います。短距離輸送においては、まだトラックが主流ですが、今後EV(電動自転車)や場所によっては路面電車、電動自転車など新たな輸送手段の活用が検討されると、さらなるCO2 排出量の削減が期待できます。

短距離輸送をモーダルシフトした場合の効果を計算する研究があります。
その研究では、トラックを利用して配達した場合に対して、路面電車、電気自動車、電気自転車を利用した場合は、約 6%の CO2 排出量がおさえられるという結果になりました。その結果から、短距離輸送の最適化による CO2排出量削減効果があると考えられました。

出典:東京都市大学(伊坪研究室 岡村 和季|地域内における宅配輸送の CO2 排出原単位の作成

アクアクララは全国50ヶ所以上の近隣製造工場からユーザーのもとへウォーターボトルを配達しており、物流距離を短縮しています。つまり、CO2削減に貢献する物流システムを導入していると言えます。

※上記はイメージです。アクアクララの配達等に使用している車両ではございません。

健康によい水を環境に配慮して届ける

アクアクララは、循環型社会への取り組みとして、ウォーターボトルやウォーターサーバーのリユース、リサイクルのみに留まらず、ウォーターボトルの洗浄排水にも配慮した取り組みも行っています。

その活動の一環として、洗浄剤の安全性と環境への取り組みの先進企業・ライオン株式会社と提携し、新しいウォーターボトル洗浄剤を共同開発し、水中生物に対する安全性はもとより、自然界で速やかに分解される洗浄剤が完成。

ウォーターボトルを使用することで、ペットボトルを使い捨てにしないリユース、リデュース、リサイクルでCO2排出を押さえ、環境へ配慮することで地球環境保護活動への貢献をしています。さらに、そのペットボトルを洗う洗浄剤は水中生物に対する安全性に配慮しており、健康によい水の恵みをうけている私たちにとって自然資源をサステナブルに利用するために自然環境活動にも貢献しています。

SDGsに配慮 ~自然資本への貢献~

アクアクララはサステナブルな社会へ3Rの貢献だけでなく、自然資本へも貢献しています。
アクアクララの「おいしい水から健康、ライフスタイル、環境をよりよいものに」は、いつまでも笑顔でいられる豊かなくらしをユーザーに提供することを使命として掲げています。
その1つの成果が、先にあげたライオン株式会社と提携して共同開発した洗浄剤と言えます。これはSDGsの自然資本はもちろん将来の自分たちの健康へと戻り、人的資本へとつながります。おいしい水はもっともイメージしやすくユーザーの健康へ貢献しています。

まとめ

日本の物流分野において、サステナブルな地球環境に貢献すること、カーボンニュートラルをはじめとする物流のネットワーク構築が急務となっていますが、そうした取組みはすでに始まっています。トラックの物流距離を短縮するようなシステムの場合は、労働時間が長いとされるトラックドライバーの負担も減り、健康改善にも貢献するでしょう。人と社会にとってサステナブルな状態を引き続き目指していきましょう。

参考:

アクアクララ株式会社│環境に対する取り組み

https://www.aquaclara.co.jp/corporate/business/environment.html

国土交通省│令和2年度宅配便取扱実績について

https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000235.html

経済産業省│エネルギー基本計画

https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211022005/20211022005-1.pdf

政府の行政改革│地球温暖化対策(物流分野、建設車両分野)-環境省

https://www.gyoukaku.go.jp/review/aki/r01tokyo/img/s10.pdf

国立環境研究所 地球システム領域 地球環境研究センター│2050年カーボンニュートラルに向けた 日本の気候変動対策-環境省

https://www.cger.nies.go.jp/gcp/pdf/20210609/Wada_20210609_10nics.pdf

ツギノジダイ(朝日新聞社)│カーボンニュートラルとは?企業における重要性や取組み方も解説

https://smbiz.asahi.com/article/14495802

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