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【医師監修】赤ちゃんの水分補給の
タイミングや方法を紹介
赤ちゃんの水分補給はいつからどのように始めたらよいのでしょうか?
特に初めての育児を経験する両親なら、タイミングがよくわからず悩んでしまうでしょう。ここでは、赤ちゃんにはいつから何を飲ませたらよいのか、飲ませる方法などをご紹介します。また、嫌がって飲んでくれないときの対策や、脱水症状がある際の水分補給の仕方などもあわせてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
赤ちゃんの水分補給について
赤ちゃんは喉が渇いているということに自分で気づくことは難しいですし、まだ言葉で知らせることもできません。そのため、大人が赤ちゃんの水分が足りているかどうかこまめにチェックし、補給してあげる必要があります。
赤ちゃんの水分補給はいつから?
赤ちゃんが母乳や育児用ミルクを飲んでいる時期は、それだけで水分は足りています。離乳食が始まるころになると少しずつ母乳やミルクの量が減ってくるため、別の水分も必要になります。離乳食が始まる生後5~6カ月ごろには、離乳食とあわせて水分補給を始めるようにしましょう。
赤ちゃんに与える水分量
乳児(生後1歳未満)が必要とする水分は、1日のトータルで体重1kgあたり約125~150mlといわれています。
例えば体重が6kgなら、6x125~150=750~900mlが必要な水分量です。この水分量は、母乳やミルク、食事から得られる水分などをすべて含めた量なので、母乳やミルクを減らした分を補っていきましょう。
ただし、汗をかきやすいとき、胃腸炎等にかかったときなど、脱水症状が出やすい状況はこの限りではなく、十分な水分に加え塩分の補給も必要になります。脱水症状が出やすい場合についてはこの後に説明します。
赤ちゃんの水分補給におすすめの飲み物
昔から赤ちゃんには湯冷ましがよいといわれていましたが、これは井戸水を使っていた時代に消化器系の伝染病にかかることを防ぐために行われていた習慣です。現代の水道水はきちんと浄水処理が行われており、その水質は厳しい検査によって規定されているため、そのまま飲んでも健康上問題はありません。
しかし、水道水の温度が冷たい場合には、赤ちゃんの胃腸に負担がかからないように湯冷ましを作ってあげるとよいでしょう。また、水道水中に雑菌が繁殖しないように塩素消毒を行う過程で出てくる副生成物(トリハロメタンなど)は、健康に影響しない濃度に定められているものの、気になる場合には煮沸を行ってください。煮沸は10分以上を目安に鍋の蓋を開けておこないます。
ただし、煮沸したあとの水には塩素が含まれないため、雑菌が繁殖しやすくなりますので、早めに使い切るようにしましょう。
それ以外には、市販の赤ちゃん用ミネラルウォーターや麦茶を使うとよいです。赤ちゃん用のミネラルウォーターや麦茶がない場合には、軟水を選んでください。硬水は軟水に比べミネラルが多く含まれているので、腎臓の機能が未熟な赤ちゃんには負担がかかってしまうためです。
赤ちゃんの水分補給のタイミング
赤ちゃんの水分補給のタイミングは基本的に大人と同じです。外出時に長時間水分補給をおこなわないでいると、大人でも喉が渇くように、赤ちゃんも喉が渇きます。
日陰や屋内で過ごしていても、気温が高いときは脱水症状に気を付けて、こまめな水分補給が必要です。お風呂上りも体の水分が失われていますので、水分補給をおこなってあげましょう。
赤ちゃんの水分補給の方法
大人ならコップやペットボトルでごくごく飲むことができますが、赤ちゃんの場合は専用の器具を使用してあげないと飲むことができません。器具や手順について解説します。
水分補給のときの使用器具
スプーン
赤ちゃん用のスプーンがおすすめです。小さな口にも入りやすく、安全性にも気を付けて作られています。
哺乳瓶
哺乳瓶も便利です。哺乳瓶に慣れている赤ちゃんなら、すんなり飲めることもありますが、「ミルク=哺乳瓶」と思い込んでいることも多いため、違う飲み物が入っていると初めはびっくりするかもしれません。
スパウトマグ
スパウトマグは生後5カ月ごろから使用できるようになります。哺乳瓶のように勢いよく吸ってしまうと飲み物が大量に出てくることがあるので、慣れるまでは注意が必要です。
ストローマグ
ストローは、生後8カ月くらいになるとすんなり使える赤ちゃんが多いようです。赤ちゃん用の柔らかいストローでないと喉に刺さってしまう危険があるので、月齢に合わせたストローマグを使用してください。
赤ちゃんの水分補給の手順
最初は補給する水分の量も少ないので、スプーンで少しずつあげてみましょう。哺乳瓶に慣れている赤ちゃんなら、中身を湯冷ましや麦茶に変えてもよいです。5カ月以降ならスパウトマグ、8カ月以降ならストローマグを使用できるようになります。最終的にコップで飲めるように、徐々に慣らしていきましょう。
いずれの場合も、月齢に合った器具や、赤ちゃんの好みによっても異なるので、赤ちゃんが喜んで飲んでくれる方法を探してください。
赤ちゃんが水分補給を嫌がったときの対処法
もし水分補給を嫌がっていても、赤ちゃんは何が嫌なのかをはっきり伝えることができません。
器具が気に入らない場合もありますし、麦茶などをあげている場合は味自体が好きではないのかもしれません。器具を変えてみたり、湯冷ましだけにしてみたりするのもよいでしょう。
喜んで飲んでくれるからといって糖分の多いジュースなどをたくさんあげてしまうのは控えましょう。
赤ちゃんに水分補給が必要なサイン
(脱水症状があるとき)
汗をかきやすいときや、胃腸炎で下痢・嘔吐があるときは、脱水症状が重症になる前に赤ちゃんのサインをキャッチしましょう。
脱水の程度 | 軽症 | 中等症 | 重症 |
---|---|---|---|
意識状態 | 正常〜少しうとうと | 眠りがち | 意識がない |
尿の量 | 正常〜少し少ない | 少ない | 尿が出ない |
尿の色 | 正常~少し濃い | 濃い | |
口の中 | 湿っている | 乾燥している | ひどく乾燥している |
涙 | 出る | 少ない | 出ない |
皮膚の緊張 | 正常 | 低下している | ひどく低下している |
手足 | 正常~少しひんやり | ひんやり | 冷たい |
下痢や嘔吐があるときの水分補給
赤ちゃんに下痢や嘔吐などの症状があるときは、急激に脱水症状が進んでしまうことがあるため、出来るだけ早期に水分補給を行う必要があります。病院へ行くまでの間、外来の待ち時間などに赤ちゃん用の経口補水液を与えましょう。ドラッグストアなどで市販されているので常備しておくとよいです。湯冷ましだけでは塩分が不足してしまい、適切な水分補給とはならないので注意してください。
ポイントは、一気に飲ませず、少量ずつ頻回に与えることです。経口補水液5ml(ペットボトルキャップ1杯ほど)を5分おきに赤ちゃんに飲ませましょう。嘔吐がなければ、投与間隔を徐々に短くしていきます。嘔吐してしまったら、10分くらい時間をあけて再度飲ませ始めます。最初の4時間で体重(kg)×50ml、体重6kgの赤ちゃんなら最初の4時間で300ml程度を飲ませます。その後は、様子を観ながら嘔吐や下痢をしてしまった分を補う程度の量を飲ませてあげましょう。
また、スポーツドリンクには糖分が多く含まれ、大切な塩分は十分に含まれていないので避けましょう。
乳児なら無理に経口補水液を与えたり、ミルクを薄めたりする必要はなく、母乳や普段のミルクを飲ませてよいです。
母乳を与えているママも水分補給を
母乳は血液から作られるので、ママが水分不足になると十分な量の母乳が作られません。
母乳をあげているママは、水などで1日2L程度の水分をとるように心がけましょう。コーヒーやジュースなどはカフェインや糖分が多く含まれていますので、とり過ぎに注意しましょう。
赤ちゃんの水分補給はウォーターサーバーがおすすめ
赤ちゃんとママが水分補給すると、1日の飲料水はかなりの量になります。毎日のことなので、「手軽で安全に飲むことができるお水があるといいな」「毎回湯冷ましを作る手間を省きたいな」と思うこともあるでしょう。
そうした際にはウォーターサーバーが便利です。アクアクララのウォーターサーバーは食品衛生法の基準を満たしたお水を原水とし、独自の技術を使ったろ過システムで1000万分の1mmまで不純物を除去してあります。さらに、現代人に必要な4種のミネラル成分(カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム)を加えてあるので、飲んだときのおいしさも楽しむことができます。軟水であり、赤ちゃんの水分補給にはぴったりなお水です。アクアクララのウォーターサーバーには、湯沸かしが不要な温水機能が付いています。赤ちゃんの湯冷ましを作るときも、人肌に冷めるのを待つだけでよいのでとても便利です。
総合周産期センターにて研修後、自身の妊娠・出産を期に女性の日常にある困りごとや病気の診察、予防医療推進を行いたいと考え個人産婦人科医院に勤務。千葉市にある保育園のアドバイザーとしても活動しており、大人・子供問わず相談を受けたり、講演活動を行っている。