|ウォーターサーバー・宅配水ならお得なアクアクララ【公式】

コラム記事

子育てに関する疑問や日々の暮らしに
役立つ情報をコラムにして紹介しています。

【助産師執筆】卒乳のタイミングはいつ?
流れとコツを解説

赤ちゃんを母乳で育てている方にとって、気になるのが「卒乳」や「断乳」でしょう。この記事では、卒乳を考えたほうがよいタイミングや、スムーズに卒乳するための流れやコツについて紹介します。赤ちゃんにとってもママにとっても負担の少ない卒乳をしたいと考えている方は必見です。

卒乳と断乳の違い

卒乳とは赤ちゃんがママの母乳を飲むことをやめることをいい、断乳とはママ側からやめる判断をすることをいいます。

断乳の時期は月齢に関係なく、

  • ママが母乳に影響がある薬を継続的に飲むとき
  • 化膿性の乳腺炎になり医師より断乳をしたほうがよいといわれたとき
  • 赤ちゃんが1歳を過ぎても食事が進まない場合
  • 赤ちゃんの夜泣きがひどく授乳によるママの疲労度が強い場合

上記のように、母乳をやめたほうがよいと判断されるときに断乳に入ります。

卒乳が必要な理由

赤ちゃんは生後10か月ごろから3回食になり、1歳から牛乳が飲めるようになるので少しずつ食事から栄養を摂っていく「離乳」の準備に入ります。

厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」においても、赤ちゃんの個性を見極めつつ自然に離乳を進めていくことの重要性が示されています。

乳児から幼児期に移行するには、母乳やミルクを飲むという「吸う」哺乳行動から、食事を噛んで「食べる」という摂食行動に移す意味でも必要になります。

参考:厚生労働省 | 授乳・離乳の支援ガイド

卒乳の時期

卒乳の時期は本当に個人差が大きく、ママの悩みどころでもあります。早い赤ちゃんだと離乳食を3回食にした途端母乳を飲まなくなり卒乳した例や、反対に2歳過ぎて下の赤ちゃんが生まれてもまだおっぱいから離れないという例もあります。

ではどのようなときに卒乳に移行できるか、タイミングを見てみましょう。

1~1歳半

1〜1歳半で離乳食から幼児食へと食事の形態が変わり、歯も上下4本ずつ、1歳半になると奥歯も生えはじめます。運動の発育面でも「はいはい」から「あんよ」になり、一人で歩くことも上手にできてきます。

「2本足で歩ける」ことは実は非常に大切です。運動量も増えるためお腹も空きやすくなり、食事をする行動へつながります。

食べる量が増えないとき

母乳が大好きで頻回に飲み、赤ちゃんのお腹が母乳で満たされて離乳食や幼児食が進まない場合にも卒乳を考えます。母乳をやめたら食事をたくさん食べてくれるようになり、ぐんぐん体重も増えていったというケースもよくあります。

仕事に復帰したとき

最近では0歳児のうちにママが職場復帰するケースも増えてきました。仕事や通勤に加えて、保育園の送迎や授乳、家事をこなすことはとても大変です。復職すると夜はママもぐっすり眠りたいもの。仕事復帰もママの睡眠時間の確保のために卒乳を考えるタイミングになります。

次に子どもを授かるとき

次の妊娠を希望する場合や不妊治療をしていて計画的に妊娠したい場合など、排卵を意図的に起こすために卒乳を考えることもあります。

特に頻回授乳をしている場合は子宮収縮作用があるオキシトシンというホルモンが分泌されるため妊娠しにくかったり、妊娠しても流産のおそれがあったりするため卒乳を検討します。

夜泣きや夜間授乳が多いとき

夜間授乳が多い場合はおっぱいを吸うという行動でママも赤ちゃんも安眠できません。夜間授乳をやめると赤ちゃんもしっかり深い睡眠が取れるようになります。夜泣きをおっぱいのみでなだめているような状態であれば、思い切ってやめる方向で進めるとよいでしょう。

卒乳の流れ

いざ卒乳をするとき、ママや赤ちゃんはどんな準備をすればよいのでしょうか?
ママの準備、赤ちゃんの準備について無理がない方法を考えてみましょう。

卒乳の流れ① ママの体調を準備

まずはママの準備です。家族の協力体制があるときや、ママが心身共に状態がよいときにやりましょう。風邪気味のときや疲れやすいとき、心に迷いがあるときも無理に進めないほうがよいでしょう。

卒乳の流れ② 赤ちゃんの状況を確認

次に赤ちゃんの準備ができているか確認しましょう。「牛乳が飲める」「2本足で歩くことができる」「外遊びができる」ことがそろっていると、スムーズに短期間で卒乳することができます。

卒乳のコツ

ママの頑張りや決意だけでは卒乳がスムーズにいかないこともあります。さまざまな育児グッズなどを利用してみてもよいでしょう。日程的には、長期休暇や連休を利用すると比較的やりやすいでしょう。

卒乳のコツ① 母乳に変わる飲み物をコップやマグで飲ませる

コップやマグなどで母乳に変わる飲み物、たとえば牛乳やフォローアップミルクを飲ませることができるとスムーズにいきます。牛乳アレルギーの赤ちゃんは麦茶などで代用します。

卒乳のコツ② おっぱいが吸えないと思ってもらう

キャラクターの絆創膏などをママの乳首に貼って、傷ができてしまったように演技することも効果的です。物事がわかる月齢であれば、「ママのおっぱい、血がでちゃった!」や、お胸を抑えて「痛い~」などと演技すると、すんなりおっぱいへの執着が消えることがあります。

卒乳には家族の協力が必要

ときには、ママの母乳が恋しくて泣き叫ぶ我が子をあやさなければならないこともあるでしょう。卒乳をすすめるときにはパパや子どものきょうだいなど、家族の協力が不可欠です。家族で一致団結してママと赤ちゃんをサポートしてもらえるとスムーズに卒乳できるでしょう。

卒乳時の子どものケア方法

きのうまで吸えていたおっぱいと離れるのは、赤ちゃんにとって大きなストレスです。適切なフォローでよりよい親子関係を構築することができるように、おっぱい以外のスキンシップ方法を考えていきましょう。

卒乳時の子どものケア方法① スキンシップ

赤ちゃんはママの肌に触れると安心します。ママの優しい手でタッチケアやベビーマッサージなどをしてみてはいかがでしょうか?

たっぷりの保湿剤で優しくゆっくりとしたマッサージをすることにより、心の安定やリラックス効果が期待できる「オキシトシン」の分泌につながります。

卒乳時の子どものケア方法② してほしいことをする・肯定的な言葉をかける

絵本を読む、一緒におもちゃで遊ぶなど、赤ちゃんがしてほしいことをしてあげましょう。
おっぱいから離れたことをネガティブにとらえず、「お兄ちゃん、お姉ちゃんになったね」や、「おっぱいにさよならしたからこのおやつ食べれるね」など、自己肯定感を高めるような言葉をかけてあげましょう。

卒乳時のおっぱいのケア方法

卒乳してもまだまだ母乳が残っていたり分泌が止まらなかったりするママもいます。そのようなママのために、体に負担が少ないおっぱいのケア方法を紹介します。

卒乳時のおっぱいのケア方法① 搾乳

おっぱいの残乳感や分泌が少ない場合は、お風呂やシャワーのときに乳輪を刺激しないように搾乳します。搾乳器でもよいのですが、乳首が伸びてしまう人もいるので手絞りのほうがよいでしょう。
2~3日に1回程度搾乳をして、1週間、2週間と少しずつ間隔をあけていきます。最後はねっとりとした母乳が少し出ますが、放置しておいて大丈夫です。自然に乳腺に吸収されます。

卒乳時のおっぱいのケア方法② 乳房を冷やす

母乳分泌がよく、張りが強い人は乳房を冷やすことも視野に入れましょう。搾乳は必須ですが、1回目は絞りきり、すぐ保冷剤や冷たいタオルで冷却します。
次からは完全に絞りきらず、2~3割を絞る“圧抜き”をします。それを数回繰り返し、間隔をあけて少しずつ乳房を空にしていきます。

自分一人ではできないときは病院の母乳外来や助産院、母乳相談室などを利用してアドバイスをもらいながらやりましょう。

卒乳を避けるべきタイミング

ママや赤ちゃんの状態によっては卒乳を控えたほうがよいときもあります。

卒乳を避けるべきタイミング① ママの体調不良時

ママの体調がよくないとき(風邪気味、疲労が強いとき)などは控えたほうがよいでしょう。

ママのメンタルも体力も余裕があるときのほうが乗り越えられやすいです。気持ちに迷いがあるときは成功しないことが多いため、「やろう」と気持ちが決まってからのほうが成功しやすくなります。

卒乳を避けるべきタイミング② 赤ちゃんの体調不良時

赤ちゃんの体調がよくないときや卒乳により心身に影響が出そうなときも控えたほうがよいでしょう。

卒乳に関するよくある質問

そのほか、卒乳に関してよくある質問にお答えしていきます。

2歳以降も母乳をあげてもいいの?

よくないわけではありませんが、2歳になると体力もついてくるので、駄々をこねたときにあやすのが大変です。2歳はイヤイヤ期でもあるので頑固になります。できれば2歳前のほうがスムーズに卒乳できることが多いです。

母乳が残っているとガンになりやすい?

卒乳した後、乳腺に母乳が残っていると、しこりやガンになりやすいのではないかと心配される方がいますが、その情報に医学的根拠はありません。授乳中にしこりがよくできた人や残乳感が気になる人は、助産師に「おっぱいクリーニング」という広範囲の搾乳をしてもらうとよいでしょう。費用は施設により異なります。

卒乳に悩んだら病院で相談しましょう

一言で卒乳といっても100人いれば100通りのやり方があります。悩んだら出産した病院や母乳外来、助産師外来や母乳相談室などで相談しましょう。赤ちゃんの様子やママのおっぱいの状態を見て、その人に合った方法や搾乳のアドバイスなどをしてくれます。気軽に相談してみてください。

執筆者浅井 貴子(助産師)

都内在住のフリー助産師。赤ちゃん訪問指導歴約25年以上のキャリアを持つ。毎月30件、年間400件近い赤ちゃん訪問を行い出産直後からの育児のアドバイスや母乳育児指導には定評がある。All about 母乳育児ガイド、AMOMA商品開発アドバイザーを務める。