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高齢者に必要な水分摂取量とは?水分補給を習慣化しよう

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一般的に体内の水分量が減ってくると「喉の渇き」という症状が出て、水分を補給しようとします。しかし高齢者を中心に、すぐに水分補給ができる自宅などにおいても、脱水症状になってしまう事例も多くあり、命を落としてしまうことも報告されています。

ここでは高齢者が脱水症状になりやすい原因や水分摂取量についてご紹介します。

高齢者ほど脱水症状になりやすい

体重の2%以上の水分が失われる(体重60kgの人でおよそ1.2L)と、強い喉の渇きなどの症状が出始めます。多くの方はこの時点で水分を補給するため脱水症状になることはありません。では高齢者はなぜ脱水症状になりやすいのでしょうか、原因としては次のことがあげられます。

  • 身体に保持できる水分量の低下
  • 喉の渇きが感じにくい
  • 利尿作用が働く薬を服用している
  • トイレに行く回数を減らすために水分を控えてしまう
  • 夏場にエアコンをつけない
  • 体内の塩分調整機能の低下

高齢になると、体に蓄えられる水分も少なくなるため、頻繁に水分補給をしなければなりません。また、認知機能が衰えているため、喉の渇きを感じない方も多いようです。
足腰などが痛く、トイレに行く回数を減らそうと意図的に水分量を減らしたり、「もったいない・無駄」という考えから夏場もエアコンを使わなかったりすることも注意が必要です。さらに、体内の水分や塩分の調整機能も低下してきているので、少し無理をしただけで、体調をくずしてしまうことがあります。

高齢者の1日に必要な水分摂取量

1日に必要な水分量は体重によって変化しますが、高齢者の場合、体重1kgあたり40mlの水分が必要です。例えば体重が60kgなら、1日の必要水分量はおよそ2.4Lになります。水分は食事からも多く摂取されるので、実際に飲料水として必要な量は1.5L程度と考えましょう。
もちろんこれは平常時の必要水分量です。暑い場所に長時間居続けていたり、運動などをして汗をかいた場合は、さらに多くの水分が必要となります。また、糖尿病にかかっていたり、利尿作用が働く薬を服用しているときも、これ以上の水分が必要な場合があります。自分の体調に合わせて、心配なことがあれば医師に相談をしながら、1日の水分摂取量を確認してみましょう。

高齢者の水分摂取量が少ないと起こるリスク

高齢者の水分摂取量が少ないと、以下のような健康上のトラブルが生じる可能性があります。

  • 脱水症状
  • 熱中症
  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞
  • 尿路感染症
  • 腎機能の低下
  • 便秘

人は加齢によって、体内の水分量の割合が少なくなっていきます。一般的な成人は体の約60%が水分とされていますが、高齢者は約50%とされています。そのため、高齢者は体内の水分を少し失うだけで脱水状態になりやすいのです。

また、高齢者は食が細くなりやすいため、食事からとれる水分量も少ない傾向にあります。意識的に水分補給をしなければ、簡単に脱水状態になりやすい点に注意が必要です。

高齢者に水分補給をしてもらうには?

脱水状態になりやすい高齢者の方には、より意識的に水分補給を促したいところです。高齢者の方に水分補給をしてもらうために、ここでは6つのポイントを紹介します。

飲み物を本人に選んでもらう

水分補給には水や麦茶(ノンカフェインのため)がおすすめですが、高齢者の方もその日の気分や体調によって、飲みたいものが変わるでしょう。そのため、高齢者本人に飲みたいもの、飲めそうなものを聞き、それを準備するようにしましょう。本人が飲みたいものを渡せば、飲む量が増えることが多くあります。

ただし、ジュースやカフェインを多く含む飲み物は控えましょう。ジュースなどの清涼飲料水は糖分が多量に含まれており、飲む量が多いと高血糖になる危険性があります。また、カフェインを多く含む飲み物は、利尿作用により体が脱水状態に傾きやすくなります。

内服している薬によっては、飲んではいけない飲み物もありますので、薬剤情報提供書などをよく確認してみてください。

飲む回数を増やして一度に飲む量を減らす

水分補給はこまめに、少しずつ摂ってもらうのがポイントです。水を飲むと、胃をとおり小腸から吸収され、血管のなかに入り全身に運ばれます。このとき、小腸が水分を吸収できる1回量が200~250mlとされています。一度に多くの水を飲んでしまうと小腸が水分を吸収しきれず、その多くが尿となって排泄されてしまうため、水分補給の効率が悪くなるのです。

そのため、1回に飲む量はコップ半分~1杯程度にしましょう。目盛りの入ったコップや水筒を使って、1~2時間おきに1目盛り飲むなど、水分を飲むタイミングと量を決めておくのもおすすめです。

果物やゼリーなどでも水分補給をしてもらう

水分は、飲み物からだけでなく、食べ物からも補給できます。そのため、果物やゼリーなど水分を多く含む食材を食べてもらうのも水分補給に効果的です。水分をあまり摂りたがらない高齢者の方には、食後のデザートや間食に果物やゼリーを出してみましょう。

なかでも、イチゴやスイカ、モモ、パイナップル、バナナ、リンゴなどは、水分を多く含む果物なのでおすすめです。ゼリーについては、喉に詰まるリスクを軽減できる、クラッシュタイプのものを選ぶといいでしょう。医療用のゼリーには甘くない味のものもあるので、甘味が苦手な方にはそちらも選択肢として挙げられます。高齢者の方の好みに配慮し、本人が無理なく食べられるものを提供してみてください。

水分補給ができる環境を整える

高齢者は脳の機能が低下し、喉の渇きを感じにくくなることがあります。そのため、気が付いたときにいつでも水分補給ができる環境を整えることが重要です。
高齢者の方が自主的に水分補給をできない場合は、ご家族など周囲からの声かけも大事になります。こまめに水分がとれるよう、テーブルなどにペットボトルや蓋のついたコップ、水筒などを準備しておきましょう。

特に入浴後や起床後は、体の水分が失われやすい状態にあります。入浴後や就寝前、起床後にコップ1杯程度の水を飲むよう、意識的に声かけをしましょう。浴室や寝室に水筒を持ち込むのも、すぐに水分が摂れるためおすすめです。

水分の摂取量を記録する

高齢者の方は体の水分量が少なく、体内の水分が少し失われただけでも脱水状態になりやすいです。そのため、1日にどれくらい水分を摂取したか記録を付けると安心です。1日に飲んだ水分量が不足しているのか、摂りすぎているのか、一目で分かるようになります。

厚生労働省は、水の摂取目安量を明確に定めてはいないものの、高齢者の場合は男性で2.3~2.5L、女性で2.0~2.3Lが妥当だとしています。これらは食事から摂れる水や、体内で作られる水も含むので、実際に飲み物から摂るべき量は1.0~1.5L程度です。

何時にどのくらい水分を摂ったか記録し、1日の水分摂取量の目安に到達できているか確認しましょう。

塩分もとる

水分補給をする際は、同時に塩分も摂りましょう。水分補給をするとき、水だけを飲んでしまうと、体内の電解質バランスが崩れ、けいれんなどの症状を引き起こす恐れがあります。

水を多く飲み体内の塩分濃度が薄まると、体は塩分濃度を保つために喉の渇きを感じさせなくし、余計な水分は排出しようとするため、結果的に脱水につながってしまうのです。そのため、高齢者の水分摂取におすすめの飲み物は経口補水液です。経口補水液は、水分と同時に塩分や糖分、ミネラルも補給できる飲み物となっています。

経口補水液を自作する場合は、水1L、塩小さじ半分(3g)、砂糖40gを混ぜて作りましょう。なお、スポーツドリンクは経口補水液とは異なり、塩分だけでなく糖分も多く含むため、普段の水分補給にはあまり適していません。もしスポーツドリンクを飲む場合は、水で3倍程度に薄めてみてください。

定期的にお水を飲むようにする

「喉が渇いた」と感じてきたときは、すでに軽度の脱水状態になっていることが考えられます。喉の渇きを感じる前に定期的にお水を飲むようにすることを心掛けましょう。一度に飲む量を多くしてしまうと、必要以上の水分が体内に入ってしまい、尿として出てしまいます。また、コーヒーや緑茶はカフェインを多く含んでいるため、かえって利尿作用を高めてしまうのでおすすめできません。脱水症状の予防には、定期的に「お水」を飲むことが重要です。飲む時間と飲む量を決めて続けるとよいでしょう。

すぐにおいしいお水が飲めるアクアクララのウォーターサーバー

いくら定期的にお水を飲むといっても、その都度お湯を沸かしたりするのも面倒ですし、水道水をそのまま飲むのも抵抗があるかもしれません。ウォーターサーバーがあればすぐにおいしいお水や白湯を飲むことができますので、これを機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

高齢者は喉の渇きを感じることが鈍くなり、トイレの回数を減らそうと意図的に水分を控える傾向があります。本人は「まだまだ自分は大丈夫」とは思っていても、周囲が必要水分量を把握し、定期的な水分補給を促すようにしましょう。

※ただし、「慢性心不全」、「慢性腎不全」などで医師から水分制限の指示がある場合を除きます。

まとめ

高齢者の方は体内の水分量の割合が少なく、脱水状態になりやすいため、適切な水分補給が必要です。高齢者の方が食事以外の飲み物から1日に飲むべき水分量は1.0~1.5Lです。高齢者がこまめに水分を摂れるよう、声かけなどを行いご家族からもサポートしてあげましょう。

ご家庭にウォーターサーバーがあれば、すぐにおいしい水や白湯を飲むことができるため、こまめに水分補給が必要な高齢者の方にもおすすめです。これを機に、アクアクララのウォーターサーバー導入を検討してみてください。

監修者

三盃志織(看護師)

看護大学を卒業後、循環器病院にて5年従事。現在も正看護師として働く傍ら、医療・健康分野を中心にライターとして活動中。