赤ちゃんが母乳を飲まない!その原因と対処法をご紹介

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これまで母乳を飲んでいた赤ちゃんが突然母乳を飲まなくなった場合、戸惑ったり不安になったりするママは多いでしょう。また、赤ちゃんが母乳を嫌がると「ママのことが嫌いになったのか」と落ち込んでしまう方もいるかもしれません。赤ちゃんが母乳を飲まないのには、さまざまな原因が考えられます。
そこで今回は、赤ちゃんが母乳を飲まない主な原因や対処法についてご紹介します。母乳からミルクに切り替えるコツについても解説します。赤ちゃんが母乳を飲まなくて悩んでいる方は、ぜひご参考にしてください。
そもそも母乳で育てたい母親は多い?
自身の赤ちゃんを母乳で育てたいと考える母親は多いです。厚生労働省の「第1部 乳幼児の栄養方法や食事に関する状況」によると、2015年の調査では「ぜひ母乳で育てたいと思った」「母乳が出れば母乳で育てたいと思った」と回答した人の割合は全体の93.4%を占めています。
実際に母乳で育てた人は多く、生後1ヶ月間を母乳のみで育てたというる人は、全体の51.3%を占めます。さらに、生後1ヶ月間を母乳とミルクの両方で育てたという人は、全体の45.2%を占めています。このことから、全体の96.5%の人は子どもを母乳で育てているとわかります。
赤ちゃんが母乳を飲まない主な原因
赤ちゃんが母乳を飲まない主な原因は、以下のとおりです。
- うまく吸えないから
- 母乳の出る勢いが強すぎるから
- 乳頭混乱を起こしているから
- 母乳の味がいつもと違うから
- ほかのことに興味を示しているから
- 哺乳ストライキを行っているから
うまく吸えないから
赤ちゃんが母乳を飲むとき、舌や口のまわりの筋肉を使います。そのため、赤ちゃんの筋肉が弱いと母乳がうまくでてきません。また、ママの乳首の大きさと赤ちゃんの口の大きさが合わない場合は、うまく吸うことができないのです。これらの理由により、おっぱいを吸うことができず母乳を飲まない可能性があります。
母乳の出る勢いが強すぎるから
赤ちゃんが母乳を飲まない原因には、母乳の出る勢いが強すぎるからということもあげられます。一般的に、授乳後1〜2分ほど経つと溜まっていた母乳が押し出される「射乳反射」と呼ばれる現象が起こります。この射乳反射によって母乳の出る勢いが強すぎると、赤ちゃんが飲みにくかったり嫌がったりすることがあるのです。
母乳を飲み始めて数分後にのけ反る様子が見られる場合は、母乳の出る勢いが原因である可能性が考えられます。
乳頭混乱を起こしているから
哺乳瓶でミルクを与えている場合は、乳頭混乱が原因で母乳を飲まない可能性があります。
乳頭混乱とは、哺乳瓶では飲むもののママの母乳は嫌がることをいいます。この乳頭混乱を起こす原因はさまざまですが、主に「哺乳瓶のほうが楽に飲めるため」と考えられています。というのも、哺乳瓶の場合は吸うとミルクがすぐに出てきますが、おっぱいの場合は吸っても射乳反射が起こるまで量が出にくいうえに、強い力で吸わないといけないからです。
こうした理由により、乳頭混乱が起きて母乳を飲まなくなることがあります。
母乳の味がいつもと違うから
赤ちゃんが母乳を飲まない原因は、味がいつもと違うからかもしれません。母乳はママの血液から作られるので、ママの食事内容によって血液に含まれる成分が異なります。これにより、母乳の味が変わることがあります。
気をつけたい食事には、脂っこいものや甘いものがあげられます。これらを食べたあとに赤ちゃんが母乳を飲まない場合は、味が原因の可能性があるでしょう。
ほかのことに興味を示しているから
赤ちゃんがほかのことに興味を示している場合も、母乳を飲まないことがあります。たとえば、テレビを見ながら授乳をしている場合は、音や映像が気になってそこに意識が向いているかもしれません。また、赤ちゃんの見える位置におもちゃを置いている場合は、おもちゃが気になることもあります。
哺乳ストライキを行っているから
哺乳ストライキとは、赤ちゃんが突然母乳を飲まなくなる現象を指します。この現象は、赤ちゃんが生後2ヶ月から3ヶ月の間に起こることが多いです。
哺乳ストライキの原因はさまざまで、主に以下のようなものがあります。
・発達的な変化
赤ちゃんが成長するにつれて、周囲の環境に対して興味を持ち始めることがあります。この時期は、赤ちゃんが母乳に対して飽きてしまったり、ほかのものに興味を持ったりするため、母乳を飲むのを拒否することがあります。
・口内の不快感
赤ちゃんの歯が生え始める時期や、口の中に痛みを感じている場合も、母乳を飲むことを嫌がるケースがあります。歯が生え始めると、乳首を噛むことが不快になったり、痛みを伴ったりすることがあるため、母乳を飲まないのです。
・母親のストレスや体調不良
母親の体調が悪かったり、精神的なストレスを感じていたりすると、母乳の分泌が一時的に減少することがあります。これにより、赤ちゃんが母乳を十分に飲めなくなり、授乳を避けることがあるのです。また、母親が不安や緊張を感じると、赤ちゃんもその感情を敏感に察知し、授乳に対する抵抗感を示すこともあります。
・乳房の問題
母親の乳房に何らかの問題(乳首のひび割れ、腫れ、乳腺炎など)が生じた場合、授乳時に母親は痛みを感じることがあるでしょう。赤ちゃんがその痛みに反応して、授乳を避けることがあります。
・授乳環境の変化
授乳の環境が変わると、赤ちゃんが慣れずに哺乳ストライキを起こすことがあります。たとえば、引っ越しや旅行、家族の変化などがストレスとなり、授乳を嫌がることがあります。
哺乳ストライキは一時的なものであるケースが多いですが、長期化する場合は原因を特定して適切な対策を講じることが大切です。
赤ちゃんが母乳を飲まないときの対処法
赤ちゃんが母乳を飲まないときは、以下の方法を試してみるとよいでしょう。
哺乳瓶の乳首を変更する
赤ちゃんが乳頭混乱を起こして母乳を飲まない場合は、哺乳瓶の乳首を「飲みにくいもの」に変えるのも一案です。なぜなら、前述したように乳頭混乱を起こす主な原因は、哺乳瓶のほうがおっぱいを吸うのに比べて楽に飲めるため。哺乳瓶で飲みづらさを感じさせることによって、赤ちゃんがおっぱいを吸ってくれる可能性があります。
哺乳瓶の乳首を変えても乳頭混乱を起こして母乳を飲まない場合は、搾乳してから与えるとよいでしょう。搾乳をしないと乳腺炎になる恐れがあるため、赤ちゃんが飲まないからといって放置することは望ましくないといえます。
乳頭マッサージを行う
赤ちゃんがおっぱいをうまく吸えない場合は、乳頭マッサージを行うのがおすすめです。乳頭マッサージのやり方は以下のとおりです。
- 5本の指で乳輪部の外側をつかみ、乳房の内側に向かって押します。
- そのまま指の腹で乳首と乳輪部をつかみ、横方向にもみずらします。
- 指の位置を変えてさまざまな方向からマッサージを行います。
- 5本の指で乳首と乳輪部をつかみ、縦方向にもみずらしながら乳首の先端に指をずらします。
- 指の位置を変えてさまざまな方向からマッサージを行います。
- 乳首と乳輪部を3秒間ほど圧迫します。圧迫する際は、爪が白くなる程度の強さがベストです。
乳頭マッサージを行うと乳頭がやわらかくなり、伸びやすくなります。この結果、赤ちゃんが口に咥えやすくなるので、母乳を飲んでくれるかもしれません。
なお、乳頭マッサージを行う際、乳頭部分を傷つけてしまう可能性があります。乳頭を保護するためにも、赤ちゃんの口に入っても問題のないベビーオイルやマッサージクリームなどを使って皮膚を保護するとよいでしょう。
ラッチオンを意識して与える
ラッチオンとは、赤ちゃんが口を開けた瞬間にママがおっぱいをしっかりと咥えさせる動作のことです。
まず、乳頭と赤ちゃんの口の位置が同じ高さになるように抱っこします。続いて、赤ちゃんの口を乳頭に近づけて大きく口を開けるのを待ちます。赤ちゃんが大きく口を開けたら、赤ちゃんを引き寄せて乳輪全体を咥えさせるようにしましょう。
前かがみの状態で乳頭を咥えさせようとすると、乳輪まで咥えることができません。そのため、授乳する際の姿勢にも注意が必要です。
なお、以下のようなサインがみられる場合は正しく授乳ができていない可能性があります。
- おちょぼ口で吸っている
- 頬がピンと張っている、またはえくぼのようなくぼみがある
- 授乳中に舌打ちのような音が聞こえる
- 吸啜(きゅうてつ)のリズムがずっと速い
- 授乳中や授乳後に痛みを感じる
ラッチオンがうまくできていないと赤ちゃんが母乳を飲まないだけでなく、乳首が傷つく可能性があります。痛みから「乳輪を深く咥えさせることが怖い」と、ラッチオンがうまくできなくなることもあるため、授乳時は常にラッチオンを意識することが大切です。
栄養バランスの取れた食生活を心掛ける
赤ちゃんがおっぱいを飲まない原因が「母乳の味がいつもと違うから」という場合は、栄養バランスの取れた食生活を心掛けることが大切です。そのため、授乳期は脂っこいものや甘いものをなるべく避けるようにしましょう。
授乳期に特に意識して摂取したい栄養素は以下のとおりです。
- 鉄分
- カルシウム
- 葉酸
甘いものが好きな方は、デザートなどを控えることによってストレスに感じてしまうことがあるかもしれません。「どうしても甘いものをたくさん食べてしまう」という場合は、フルーツを食べるのがおすすめです。
集中できる環境で与える
赤ちゃんがほかのことに夢中になって母乳を飲まない場合は、集中できる環境でおっぱいを与えるようにしましょう。テレビがついている場合は、授乳中だけ消すとよいかもしれません。家族がテレビを見ているときは、静かな部屋に移動して授乳するのがおすすめです。
近くにおもちゃがある場合は、赤ちゃんが見えないところに置いておきましょう。
赤ちゃんが母乳を飲まないときはミルクを与えるのも一案
上記の方法を試しても赤ちゃんが母乳を飲まないときは、ミルクを与えるのも一案です。たとえば、完全母乳で赤ちゃんが突然母乳を飲まなくなった場合は、混合への切り替えも検討するとよいでしょう。
赤ちゃんが母乳を飲まないとき、「母乳を飲ませないと」と無理に与えようとするのはママと赤ちゃんにとってストレスに感じてしまいます。ストレスは母乳の出を悪くすることもあるので、赤ちゃんが母乳を飲まないときは無理に与えようとせず、代わりにミルクを与えるのがおすすめです。
母乳からミルクに切り替える際のコツ
母乳からミルクに切り替えることは、母親にとっては感情的にも肉体的にも大きな変化を伴います。赤ちゃんにとっても新しい飲み物の味や飲み方に適応しなければならないため、切り替えには時間と根気が必要です。しかし、いくつかのコツを実践することで、この過程をスムーズに進めることができます。
ここでは、母乳からミルクに切り替える際の具体的なコツについて解説します。
赤ちゃんとのスキンシップの時間を増やす
母乳を与えていたときは、授乳中に赤ちゃんとのスキンシップが自然と深まります。しかし、ミルクに変えるとこうしたスキンシップの時間が不足しがちです。そのため、赤ちゃんがミルクを飲むときも、母乳を与えていたときのように抱っこして、肌と肌の接触を感じさせるようにしましょう。
このスキンシップによって、赤ちゃんは安心感を覚え、ミルクを飲むことに前向きな気持ちを持ちやすくなります。特に、夜間の授乳時や寝かしつけの時間には、赤ちゃんの体を密着させることで、母乳時の安心感を保てるでしょう。
粉ミルクの量や哺乳瓶の乳首は月齢に合わせる
粉ミルクを使う際には、赤ちゃんの月齢や成長に応じた適切な量を与えることが重要です。粉ミルクのパッケージには、年齢別や体重別に推奨される量が記載されているため、それに従ってミルクを作りましょう。
また、哺乳瓶の乳首も月齢に応じて選ぶことが大切です。新生児の頃は、ゆっくりとミルクが出る乳首を使用し、赤ちゃんが飲みやすいペースで飲めるようにします。月齢が進むにつれて、赤ちゃんが飲むペースや量も変化していくため、徐々に乳首の穴の大きさを調整していくとよいでしょう。
乳首のサイズが適切でないと、赤ちゃんがミルクを飲むのに苦労したり、飲み過ぎて吐き戻したりする原因になります。乳首の素材や形も赤ちゃんに合ったものを選ぶことが大切です。
間隔を開けて授乳する
ミルクを与える間隔は、新生児の場合は3時間、それ以降は3~4時間は開けるようにしましょう。ミルクは、母乳と比較して消化に時間がかかるため、赤ちゃんが欲しがるだけあげてしまうと、量が多くなってしまいます。
ミルクを授乳するスケジュールをあらかじめ決めておけば、飲み過ぎを防げるでしょう。
離乳食が始まったら離乳食のあとにミルクを飲ませる
離乳食が始まると、赤ちゃんの栄養源は母乳やミルクだけではなくなり、食べ物からの栄養摂取も増えていきます。そのため、離乳食の進行に合わせてミルクを与えるタイミングにも工夫が必要です。
具体的には、離乳食をしっかり食べてもらうために、離乳食を食べたあとにミルクを与えることが大切です。ただし、赤ちゃんはお腹がすきすぎると離乳食よりもミルクを欲しがります。ぐずってしまいどうしても離乳食を食べない場合は、少量のミルクを与えるとよいでしょう。
赤ちゃんのミルク作りはウォーターサーバーが便利
赤ちゃんにミルクを与える場合は、ウォーターサーバーの利用が便利です。
ウォーターサーバーは、取水するだけで温水・冷水をすぐに用意することができます。やかんや鍋でお湯を沸かす必要がないため、スムーズにミルクを作ることができるでしょう。これにより、ミルク作りの負担を軽減できるだけでなく、お腹が空いている赤ちゃんを待たせることもありません。
このほか、ウォーターサーバーの水が「RO水」なら衛生面でより安心して使用することができます。RO水とは、RO膜(逆浸透膜)を使ったろ過システムで原水に含まれる不純物を除去した水のことです。有害性が疑われる物質などが含まれていないため、赤ちゃんに衛生的な水を与えることができます。
なお、アクアクララではRO水を採用しています。不純物を除去したあと、4種類のミネラル成分をバランスよく配合しているため、赤ちゃんに安心して与えられて大人もおいしく飲めるお水に仕上がっています。
まとめ
赤ちゃんが母乳を飲まない主な理由に、「おっぱいをうまく吸えないから」「母乳の出る勢いが強すぎるから」「乳頭混乱を起こしているから」「母乳の味がいつもと違うから」「ほかのことに興味を示しているから」「哺乳ストライキを行っているから」などがあげられます。おっぱいをうまく吸えていないことによって母乳を飲まない場合は授乳前に乳頭をマッサージし、ラッチオンを意識して与えるとよいでしょう。
さまざまな方法を試しても赤ちゃんが母乳を飲まない場合は、ミルクを与えるのも一案です。赤ちゃんに母乳を与えるのがよいとはいえ、ミルクを与えてはいけないわけではありません。そのため、赤ちゃんが母乳を飲まなくてストレスに感じるようであれば、ミルクへの切り替えを検討するのもよいでしょう。
赤ちゃんのミルク作りをする際は、ウォーターサーバーの利用がおすすめです。ウォーターサーバーがあればミルク作りの負担を軽減できるだけでなく、衛生的な水でミルクを作ることができます。さらに、ミルク以外にも白湯も作れますし、離乳食作りにも役立ちます。ミルクを卒業したあともさまざまな用途に使用できるため、この機会にウォーターサーバーの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
監修者
繁和泉(看護師・予防医学士)

看護師・予防医学士として長年「病期になる前の未病の段階」で対処することを念頭に、誰にでもできる健康習慣の情報発信に精を出す。「朝晩コップ1杯の水を取る」厚生労働省が掲げる推進運動に賛同。「水を飲むことの大切さ」をわかりやすく発信するとともに、自身も「1日1.5L以上の水分」を摂取し、美容と健康維持に役立てている。