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母乳とミルクで育った子の違いとは?それぞれのメリット・デメリットも解説

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「赤ちゃんには母乳を与えたほうがよい」という言葉を見聞きしたことがある方は多いのではないでしょうか。そもそもなぜ母乳のほうがよいのか、疑問に思っている方もいるはず。また実際に、多くのママたちはどのような授乳方法を行っているのかを知りたい方もいるでしょう。

この記事では、母乳とミルクの違いやどのような授乳方法の割合が多いのかについて解説します。また、母乳とミルクそれぞれのメリット・デメリットもご紹介しているので、ぜひご覧ください。

母乳とミルクで育った子どもはそれぞれどのくらいいる?

赤ちゃんを育てる際、「母乳のみ」「ミルクのみ」「母乳とミルクの両方」のいずれかの方法で授乳します。それぞれの割合はどのくらいでしょうか。厚生労働省の「第1部 乳幼児の栄養方法や食事に関する状況」をもとに見ていきます。

まずそれぞれの授乳方法のなかでも最も多いのは、母乳のみで育てた人です。2015年の調査では、母乳のみで育てた人の割合は、生後1ヶ月では51.3%、生後3ヶ月では54.7%でした。次に多いのが母乳とミルクの両方で育てた人で全体の割合は、生後1ヶ月では45.2%、生後3ヶ月では、35.1%という結果です。最後にミルクのみで育てた人の割合は、生後1ヶ月では3.6%、生後3ヶ月では10.2%という結果がでました。

このように子どもを育てる際には、母乳を飲ませる人が多く、母乳のみと母乳とミルクの両方で育てる人の割合を合わせると約90%以上の人が母乳を与えていることがわかります。さらに母乳とミルクの両方を与えている人のなかには、「母乳がでれば母乳で育てたい」と答えている人も多いです。

母乳とミルクの違いとは

母乳とミルクの違いには、「含まれる物質と栄養成分の量」があげられます。

まず、母乳には「免疫物質」が含まれています。免疫物質は特に初乳(産後5日目ごろまでの母乳)に多く含まれており、6カ月間母乳を与えた場合、3歳ごろまで感染症のリスクを低減できるという報告があります。産後すぐは母乳が出にくいこともありますが、少しでも母乳を与えることで赤ちゃんに免疫物質を受け渡すことができます。そのため、なるべく赤ちゃんに母乳を与えるのがよいといわれています。

約2週間目以降の母乳は、脂肪分やカロリーが多くなるのが特徴です。赤ちゃんの成長に合わせて母乳の成分が変わってきます。

一方、ミルクには母乳に不足しがちな「ビタミンK」「ビタミンD」が多く含まれています。国のガイドラインをもとに各メーカーがミルクを作っているため、どの製品を選んでも成分の違いに差はありません。ただし、「育児用ミルク」と「フォローアップミルク」は別物です。フォローアップミルクは「離乳食をあまり食べてくれない」「鉄欠乏性貧血のリスクが高い」「体重が増えない」などの場合に使用します。そのため、フォローアップミルクは離乳食で不足しがちな栄養を補うことができます。母乳の代わりにミルクを与える場合は、育児用ミルクを与えましょう。

母乳とミルクで育った子の違い

母乳とミルクで育った子どもは、以下のような違いがあります。

  • 便秘のなりやすさ
  • うんちの状態
  • 腹持ちのよさ

ここでは、それぞれの特徴について詳しく解説します。

便秘のなりやすさ

母乳で育った赤ちゃんは、一般的に便秘になりにくいとされていますが、飲む量が足りていない場合には便秘になることがあります。母乳ではどのくらい飲んだ量がわからず、十分な量を摂取できていない可能性があるためです。母乳不足によって水分や栄養が十分に補給されないと、腸の動きが悪くなって、排便が滞ることがあります。

ミルクであれは、どのくらいの量を飲んだのかを哺乳瓶を通じて確認できます。そのため、摂取しなければならい量のミルクを与えられるでしょう。

うんちの状態

母乳で育った赤ちゃんのうんちは、柔らかく黄色がかった色をしていることが一般的です。これは赤ちゃんの腸内細菌の多くをビフィズス菌が占めていることに関係しています。また、特有の酸っぱいようなにおいも特徴的です。これは母乳特有の成分によるもので、健康的な状態といえます。

一方、ミルクで育った赤ちゃんのうんちは、緑色であるケースが多いです。これは、腸内のビフィズス菌の量が少なくほかの腸内細菌が多いことが関係しており、正常な状態です。また母乳を与えている赤ちゃんと比較して、においも酸っぱくはありません。さらに「顆粒便」と呼ばれるカルシウムや脂肪の塊がうんちに混ざっていることもあります。こうしたうんちは、正常なので心配いりません。

ただし、白いうんちや黒いうんち、赤いうんちなどがでた場合は、病気の可能性があるため、医療機関に受診しましょう。

腹持ちのよさ

ミルクで育った赤ちゃんは、母乳で育った赤ちゃんに比べて腹持ちがよいです。ミルクは母乳よりも消化に時間がかかるため、赤ちゃんが満腹感を感じる時間が長くなります。

一方母乳で育った赤ちゃんは消化が早いため、授乳の頻度が高くなる傾向があります。な授乳が赤ちゃんの健康に役立つこともあります。

母乳とミルクのメリット・デメリット

母乳とミルクには、それぞれメリット・デメリットがあるため、以下にて押さえておきましょう。

母乳のメリット・デメリット

母乳育児のメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット

第一に、「赤ちゃんの免疫力が高まる」です。前述したように、母乳には免疫物質が含まれています。ミルクには含まれていないため、母乳ならではのメリットといえます。

母乳育児のメリットに「産後の身体の回復を促すホルモンが分泌される」もあげられます。赤ちゃんがおっぱいを吸うと、オキシトシンと呼ばれるホルモンが分泌されます。オキシトシンが分泌されることによって子宮が収縮し、出血量を抑えることができるため、貧血予防になります。この結果、産後の身体の回復を早くすることができるのです。

このほか、母乳育児をすることによって「コストがかからない」というメリットもあります。ミルク育児の場合、市販の育児用ミルクを都度購入しなければいけないため、コストがかかってしまうでしょう。その点、母乳育児ならミルクの購入が不要です。これにより、ほかのものに費用を充てることができます。

母乳育児のメリットに「外出時の荷物が減る」という点もあげられます。ミルク育児の場合、外出する際にミルク・哺乳瓶・お湯・水を持たなければいけません。一方、母乳育児の場合はこれらの荷物が不要です。赤ちゃんのおむつや着替えなど荷物を必要最低限に抑えられるため、外出時の負担軽減につながります。

デメリット

母乳育児のデメリットは、「食事や飲み物に気をつける必要がある」です。ママが食べたものや飲んだものが母乳を通じて、赤ちゃんにも影響を及ぼします。そのため、糖分が多いものや脂っこいものは食べ過ぎないように気をつけましょう。また、アルコールは発育に影響する可能性があるといわれています。この理由により、授乳中はアルコールの摂取を控えることが大切です。

このほか、母乳育児のデメリットに「おっぱいトラブルが起きることがある」があげられます。おっぱいを浅く吸われたり乳首を引っ張られたりすると、乳首に痛みが生じます。赤ちゃんに歯が生え始めると、噛まれて乳首に傷ができてしまうこともあるでしょう。

母乳育児のデメリットには、「預けることが難しい」という点もあげられます。完全母乳の場合、他人に預けることが難しくなります。そのため、保育園によっては完全母乳だと断られることがあります。また、ママが体調不良のときでもパパや両親に任せることができず、ゆっくり休めないこともあるかもしれません。

ミルクのメリット・デメリット

ミルク育児のメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット

ミルク育児のメリットは、「飲んだ量がわかる」です。母乳の場合は赤ちゃんがどのくらいの量を飲んでいるかわからないため、足りているのかどうかがわかりにくいもの。その点、ミルクなら「目安より飲む量が少ないかも」など飲んだ量を知ることができます。これにより、「いつもより少ないから体調が悪いのかな」というように、赤ちゃんの体調にも気付きやすくなります。

このほか、「食べ物や飲み物に気をつかわなくてよい」という点もミルク育児のメリットです。ミルクならママは好きなものを食べたり飲んだりすることができるため、我慢しなくて済むでしょう。

ミルク育児のメリットには、「腹持ちがよいため夜ぐっすり寝てくれることがある」という点もあげられます。母乳よりもミルクは腹持ちがよいといわれています。授乳間隔を長くできるため、寝る前にミルクを与えればぐっすり眠ってくれるかもしれません。これにより、ママも少しは睡眠時間を確保することができます。

「授乳を任せられるため預けやすい」という点もミルク育児のメリットです。前述したように、赤ちゃんに母乳を与える場合ママの代わりはいません。赤ちゃんがお腹が空いて泣いたときはママが授乳しなければならないでしょう。その点、ミルクならママ以外の人に授乳してもらうことができます。保育園や実家にも預けやすくなるため、ママの負担軽減につながります。

デメリット

ミルク育児のデメリットは、「コストがかかる」です。前述したように、ミルクを与えている場合は卒業するまでミルクを購入し続けなければいけません。育児用ミルクは決して安くはないので、家計の負担になってしまうでしょう。

このほか、「外出時の荷物が多くなる」という点もミルク育児のデメリットです。赤ちゃんにミルクを与える場合は、お湯や水なども持ち運ぶ必要があります。これにより、荷物が多くなり移動が大変になってしまう可能性があります。

「ミルク作りに手間と時間がかかる」という点もミルク育児のデメリットです。ミルクを作る際、哺乳瓶の洗浄・消毒を行ったりお湯を準備したりしなければならず、これに手間と時間がかかります。また、赤ちゃんが飲める温度にまで冷ます必要があり、それを1日に何度も行うため「ミルク作りが大変」と思う方も少なくないでしょう。

母乳とミルクどちらがよい?

「結局のところ、母乳とミルクどちらがよいのだろう」と悩んでしまう方もいるかもしれません。しかし、どちらか一方がよいということはありません。

母乳を与えることにストレスがなく、安定して出るのであれば母乳を与えるとよいでしょう。
「乳首が痛くて母乳を与えるのがつらい」「職場復帰のために保育園に預けたい」などの場合は、ミルク育児を選ぶのがおすすめです。ミルクは母乳に似せた成分で作られているため、ほとんど違いはありません。栄養面を過度に気にする心配はないので、安心してミルクを与えることができます。

母乳育児とミルク育児どちらにしようか悩んだときは、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて選んでみてください。混合にするという方法もあるので、ママと赤ちゃんに合った方法で授乳をしましょう。

ミルク作りをするならウォーターサーバーの利用がおすすめ!

赤ちゃんがいる家庭は、ウォーターサーバーの利用がおすすめです。前述したように、ミルクを作る際にはお湯を準備しなければいけません。やかんや鍋に水を移して沸騰させる場合は、お湯を準備するまでに時間がかかります。電気ケトルを使用する場合も、スイッチを押してからお湯を準備できるまでに時間がかかるでしょう。
その点、ウォーターサーバーなら待たずにお湯を取水できます。これにより、お湯を準備する手間と時間がかからないのです。

さらに、ウォーターサーバーの水は衛生的なので、赤ちゃんにも安心して与えることができます。定期メンテナンスを実施しているメーカーのウォーターサーバーを利用すれば、より衛生面で安心できるでしょう。

まとめ

赤ちゃんへの授乳方法として、母乳のみで育てる、ミルクのみで育てる、母乳とミルクの両方で育てるの3つがあります。それぞれのなかで最も多い授乳方法は、母乳のみで育てる人です。

母乳とミルクの大きな違いは、「含まれる物質と栄養成分の量」です。母乳には免疫物質が含まれており、ミルクには母乳に不足しがちなビタミンKやビタミンDが多く含まれています。それぞれメリット・デメリットがあるため、どちらがよいかはママと赤ちゃんの体調やライフスタイルに合わせて選ぶのがおすすめです。

「育児や家事の負担を少しでも軽減したい」という方は、ウォーターサーバーを活用しましょう。ウォーターサーバーはお湯をすぐに準備できるため、赤ちゃんのミルク作りはもちろん、離乳食作りや水分補給にも役立ちます。また、ママが「温かい飲み物を飲んで一息つきたい」というときにも赤ちゃんを抱っこしながら注げるウォーターサーバーが役立つので、まだ利用していない方はこの機会に取り入れてみてはいかがでしょうか。

監修者

繁和泉(看護師・予防医学士)

看護師・予防医学士として長年「病期になる前の未病の段階」で対処することを念頭に、誰にでもできる健康習慣の情報発信に精を出す。「朝晩コップ1杯の水を取る」厚生労働省が掲げる推進運動に賛同。「水を飲むことの大切さ」をわかりやすく発信するとともに、自身も「1日1.5L以上の水分」を摂取し、美容と健康維持に役立てている。