• 水の百科事典

アクアクララの研究室・実験(RO膜)

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アクアクララのお水作りには「RO膜(逆浸透膜)」が重要な役割を果たしています。RO膜(逆浸透膜)を使うことによって、水中に溶け込んでいる不純物を取り除くことができるのです。海水を飲料水にできるほどの機能を持つRO膜(逆浸透膜)の効果を確かめるために、実験をしてみました!

安心・安全な水を作る「RO膜(逆浸透膜)」って?

今回の実験のために用意した簡易型RO装置。
両脇の白い2つのタンクの中にRO膜(逆浸透膜)が入っている

RO膜(逆浸透膜)は、生物の細胞膜が持つ「浸透圧原理」を応用して研究開発された特殊なフィルターです。この簡易装置では、水道水をまず塩素(カルキ)を吸着させる活性炭フィルター(写真中央右側)に通します(RO膜は塩素を通すと劣化してしまう性質があるため)。そして次に圧力ポンプで圧力をかけながらRO膜(逆浸透膜)を通過させます。すると水道水は不純物がほぼ完全にろ過された「ろ過水」と、不純物が溶け込んだ「濃縮水」に分離されるのです。RO膜(逆浸透膜)は放射性物質である放射性ヨウ素(I-131)が溶け込んだ水のろ過にも有効性を発揮し、放射性物質を取り除ける唯一のフィルターであることがわかっています。
(※独立行政法人 放射線医学総合研究所(現・国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構)により、放射性ヨウ素(I-131) の除去に、逆浸透膜(RO膜)によるろ過が唯一有効な手段である旨の発表がなされております。)

1. 着色水とろ過水を比較しよう!

実験①「水道水のろ過実験」

RO装置を使うことで実際に不純物が除去できるのかを目で見て確かめるために、食紅で色を付けた水道水をRO装置に通します。はたしてその結果は……?

まずは食紅で色を付けた水道水を、RO装置でろ過する。
左から「着色水」、「ろ過水」、「濃縮水」
実験を開始して、約1分。着色水(写真:左)が、
透明なろ過水(写真:中央)と色の付いた濃縮水(写真:右)に分離されていく
実験開始より約3~5分が経過。着色水が完全にろ過され、
ろ過水(写真:中央)、濃縮水(写真:右)になった

一般的には、フィルターを通すと不純物が取り除かれた水だけが出てくるように思われるかもしれません。しかしRO膜(逆浸透膜)の特徴は、純粋な水(H2O)と、不純物が溶け込んだ濃縮水という2種類の水ができることなのです。
今回の実験では、わかりやすく食紅を使いましたが、着色しているほうが、濃縮水です。ちなみにこの実験は醤油やオレンジジュースでも行えますよ。オレンジジュースで行うと、濃縮水は文字どおり濃縮オレンジジュースになります。
また、オレンジジュースなどの様々な成分が入った液体を通すと、その成分がRO膜(逆浸透膜)のフィルターで目詰まりすることがあります。このことからも、RO膜(逆浸透膜)はとても目が細かく、不純物を通さないことがわかります。

実験②「ろ過後の不純物検査」

体温計のような見た目をしている「TDS計」の先端を
水に付けて検査をする

不純物を数値化できるTDS計を使ってそれぞれの水を測り、不純物がどれくらい含まれているかという結果を示したのが下の表です。

ppmは、水溶液の濃度を表すのに使われる単位です。TDS計で水道水を計測すると、地域や季節によっても違いますが、大体200ppm前後の数値が出ます。水道水には、純粋な水以外にもその程度の不純物が溶け込んでいるということですね。
RO装置にかけた後の濃縮水は、さらに大きな数値が出ます。ろ過水は、アクアクララの工場であれば0~1ppmという数値になります。

2.水道水とろ過水、
アクアクララのお水を比較しよう!

今度は普通の水道水とろ過水について、それぞれ硝酸態窒素と塩素(カルキ)はどの程度の量が含まれているか測定してみましょう。

実験③「水道水、ろ過水、アクアクララのお水の硝酸態窒素検査」

薬品を入れて、硝酸態窒素が含まれる量を見てみる

硝酸態窒素は水中の硝酸イオンなど酸化窒素として存在する窒素のことです。ここでは硝酸態窒素の含有量を色で示すことができるテストを行います。普通の水道水とろ過水の他に、アクアクララのお水についても同じテストを実施してみました。

左からアクアクララのお水、ろ過水、水道水。
色が濃いほど硝酸態窒素が含まれた水だということがわかる
(※今回は簡易実験装置のため、ろ過水でも微量の検出がありました)

硝酸態窒素はごく微量ですが、水道水に含まれていることがあります。近年は、特に地下水の硝酸態窒素による汚染が進んでいると言われ、※厚生労働省では基準値が設けられています。この硝酸態窒素の何が問題かと言えば、知られているのは赤ちゃんへの影響です。
これは、消化器管で還元され亜硝酸態窒素となり、多いと人間の血液の酸素運搬が上手くいかなくなり、メトヘモグロビン血症(別名:ブルーベビー病)と呼ばれるような、乳児の肌が青白くなり呼吸困難に陥る症状が出ることもあるようです。

※厚生労働省「水質基準項目と基準値(51項目)」(平成27年4月1日 施行)

実験④「水道水とろ過水の塩素(カルキ)検査」

今度は水道水とろ過水で、薬品を使って塩素の有無を調べてみます。日頃から水道水の塩素を気にしている人もいるでしょう。結果はやはり……。

塩素の含有についてのテスト。
色が付いた左の水が水道水で、右はろ過水

塩素(カルキ)が水道水に含まれていることはご存知でしょう。これは水中の雑菌を処理するためで、どうしても水道水には欠かせないものです。もちろん、日本の場合は塩素を含んだ水道水をそのまま飲んでも、健康に被害はないとされています。しかし、ごく微量ではあるものの、長期に渡って毎日飲むのはためらってしまうという人もいるでしょう。 また、塩素のやっかいなところは、他の化学物質と反応してトリハロメタンという物質(塩素化合物)を作り出すことがあるということです。これは発がん性などの問題も指摘されています。
水道水そのものは問題なくても、送水中であるとか、マンションの貯水槽に貯水されている間に水質が悪くなり、トリハロメタンが検出されることもあります。気にはしておいたほうが良いかもしれませんね。

いかがだったでしょう。今回の実験で使用したRO装置はあくまで簡易的なもので、実際の工場ではこの何十倍という規模のRO膜(逆浸透膜)フィルターが4~8本使用されています。

アクアクララの熊谷工場には、
大きなRO装置が使われている

しかも、その前段階と最終段階でも、RO膜(逆浸透膜)以外の目的の異なるフィルターが使われます。それにより、水に溶け込んでいた不純物は微生物、塩素、硝酸態窒素、あるいは水の分子より大きな物質など、ほとんどすべて取り除かれることになるわけです。アクアクララのお水はこのようにして安心、安全な水へと作り変えられています。

さらに、その純粋な水を“おいしい”ものにするため、4種類のミネラルも配合されているのですが……アクアクララのお水について少しでも興味を持っていただけたら、安心・安全への取り組みと品質管理のページなども、ぜひご覧になってください。