RO膜(逆浸透膜)とは?特徴やメリット・デメリットをご紹介
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「RO膜」という言葉をご存知でしょうか? RO膜は“逆浸透膜(ぎゃくしんとうまく)”とも呼ばれますが、これは浄水器のフィルターなどにも応用されている水処理の技術であり、ウォーターサーバーの水を製造する際にも使用されていることから、近年注目を集めています。
今回は、RO膜(逆浸透膜)の原理や特徴、水のろ過にRO膜を使用するメリット・デメリットなどをご紹介します。
RO膜(逆浸透膜)とは?
RO膜(逆浸透膜)とは、平たく言うと「水をきれいにろ過する道具」のことです。RO膜は「Reverse Osmosis:逆浸透現象」の頭文字から取った言葉であり、逆浸透現象を水処理に応用するRO膜の技術は1950年以降のアメリカにおいて誕生しました。
RO膜の原理を理解するためには、まず「半透膜」や「正浸透」についての理解を深めることが肝心です。
半透膜とは「液体や気体混合物など一部の成分を通し、ほかの成分を遮断する膜」のことで、身近な例だと動植物の細胞膜が挙げられます。動植物の細胞膜は水のような極小さな分子のみ通過させ、水に溶けたミネラル(イオン)は通過させないという性質を持っています。
いまよりも昔、ガラスやプラスチックなどの液体を保管する容器が流通していなかったヨーロッパでは、豚や羊の膀胱を容器代わりにワインや塩水を保管することがありました。そして液体の入った容器(膀胱)を水の中に入れると容器内の液量が増えることが当時から確認されていたそうですが、後の研究によってこの現象が半透膜によるものだと解明されました。
半透膜により容器内の液量が増えるのは、水の濃度の違いによって起きる水分子の移動によるものです。たとえば、半透膜を仕切りにして塩水(不純水)と真水(純水)を容器に入れたとき、濃度を均一にしようという働きが起き、濃度が低い真水から濃度の高い塩水のほうへと水分子が移動するため浸透圧が生じます。このように、半透膜を通して純水から不純水へと“水分子のみ”が移動する現象を「正浸透」といいます。
しかし、不純水に浸透圧以上の圧力をかけると、水分子は不純水から純水へと移動します。これを逆浸透現象といい、この現象を水処理に応用した技術がRO膜(逆浸透膜)なのです。
RO膜は、0.0001ミクロンほどと超微細な孔を持っています。水分子よりも大きな孔ですが、細菌類やウイルス類は通過できません。世界で最も小さなウイルスでも大きさは0.02ミクロンほどなので、水中に含まれる水分子以外の不純物を除去することができます。イオンや金属、ウイルス、原発事故の放射性物質やPFAS(ピーファス)などの有害物質も除去できるため、海水や汚染水といった飲用に適さない水でも浄水し飲用へと転換することができるのです。
RO膜(逆浸透膜)でろ過するメリット・デメリット
こちらでは、RO膜(逆浸透膜)で水をろ過するメリットとデメリットについてご紹介します。
メリット
RO膜の最大のメリットは、細菌類やウイルス類、放射性物質や有害化学物質なども含め、水に溶けた不純物を取り除けるということです。もともと、RO膜は海水などを淡水に変えるために開発された技術なので、除去能力は世界でも最高水準といえます。RO膜でろ過された水は安心して口にできるので、小さな子どもやご高齢の方がいるご家庭にもおすすめです。
また、RO膜は災害対策にも有用です。水は生命を維持する重要なものですが、地震などの災害が起きると水道が使えなくなることがあり、復旧まで長い期間を要することもあります。しかし、RO膜を使用すれば地下水や海水、汚染水、排水などでも浄水してきれいにできるため、飲用水や生活用水を確保することができるのです。
デメリット
RO膜は細かな不純物もきれいに除去するほど優れているが故に、ミネラル成分も除去してしまうというデメリットがあります。ミネラル成分が含まれない純水に近い水は雑味がありませんが、人によっては物足りなく感じることもあります。なぜなら、水の味はカルシウムやカリウムなどのミネラル成分に左右されるからです。つまり、RO膜でろ過した水をおいしくするためには、浄水後にミネラル成分を人工的に配合する必要があるのです。
ウォーターサーバーの水はRO膜(逆浸透膜)でろ過した「RO水」がおすすめ
RO膜(逆浸透膜)によりろ過された水を「RO水」といいます。近年はウォーターサーバーでも提供されているRO水ですが、具体的に何がよいのか気になる方もいるでしょう。
RO水のおすすめポイントをご紹介しますので、ウォーターサーバーの導入を検討している方はぜひご参考にしてください。
余計な不純物が含まれていない
RO水は、RO膜により不純物がろ過されているため安心して飲用できます。妊娠中の水分補給や、子どものミルク・離乳食作りなどでは使用する水に気を使うことも多いでしょう。RO水のウォーターサーバーがあれば自宅でいつでも使用できるため、日々の暮らしの負担や不安が一つ軽減できます。
安定した品質の水が飲める
RO水のウォーターサーバーを導入することで、安定した品質の水をいつでも気軽に飲むことができます。純水の場合、味を左右するミネラル成分が入っていないためおいしく感じないかもしれませんが、ウォーターサーバーに使用されるRO水の多くはミネラル成分を配合しておいしく調整されています。決められたミネラル成分を添加するため、地域や環境に左右されることがなく、常に安定した品質のおいしい水を飲むことができます。
天然水よりも比較的リーズナブル
RO水は天然水よりもリーズナブルな価格帯です。天然水は特定の水源から採取されるため採取・運搬にコストがかかりますが、RO水の原水は水道水などなのでそれほどコストはかかりません。
また、天然水は季節や地域などで採取できる水量が変わることがあるため、需要と供給のバランスが崩れると価格が高くなることもあります。一方、RO水の原水となる水道水は比較的安定して供給できるため、価格に大きな変動がないのです。
適切に保管していれば長期保存が可能
RO水はきちんと保管すれば長期的に保存ができます。少し多めに注文して数本は保管し、使った分だけ追加注文する「ローリングストック法」を日常から実践すれば、水が保存期間を過ぎることもなく、常に一定量の水が保管されている状態になり、万が一の災害の備蓄としても役立ちます。
なお、RO水については以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
「RO水は体に悪い」は嘘!噂の真相とRO水を選ぶメリットをご紹介
RO水を採用しているアクアクララの特徴
アクアクララのウォーターサーバーではRO水を採用しており、丁寧に不純物を取り除いた水に4種類のミネラル成分をバランスよく配合することでおいしさをプラスしています。また日本人がおいしいと感じやすいようにお水の硬度を29.7mg/Lの軟水に調整しているのも特徴です。
飲みやすさやおいしさに配慮して作られたアクアクララのRO水は、乳幼児や子ども、ご高齢の方、ペットなどにも安心して与えられるため、日々の暮らしには欠かせないお水になるはずです。
天然水ではなくRO膜(逆浸透膜)でろ過した安心安全な軟水- RO水
まとめ
RO膜(逆浸透膜)はイオンや金属、ウイルス、原発事故の放射性物質やPFASなどの有害物質も除去できるため、安心して飲める水の安定供給を可能にする技術といえます。人体に有用なミネラル成分も取り除いてしまうというデメリットはありますが、ミネラル成分を加えて水の味を整えているウォーターサーバーのメーカーもありますので、そういったメーカーを選べば暮らしの中に簡単に取り入れやすいでしょう。
アクアクララでは、飲みやすくておいしいお水を提供しています。不純物が含まれていないので子どもからご高齢の方まで安心して飲めるほか、ウォーターサーバーの種類も豊富なのでご家庭の状況に合わせて選ぶことができます。適切に保管すれば長期保存もできるので、日々の暮らしのため、また万が一の事態に備える意味でも、ぜひアクアクララのウォーターサーバーを利用してみてはいかがでしょうか?